「書く」か?「描く」か?

先週末に第2章のドラフト版まで書けたので、今は第3章に取りかかっている。この章は連載の第1回途中から第3回までの内容なので、ベースとなる原稿のボリュームが結構ある。しかし雑誌を書籍化しようとすると、書き換える箇所が多く、やはり手こずっている。パターンを紹介する第3章から第7章は記述スタイルが同じになるはずなので、調子の出ているうちに第3章を書き上げてスタイルを確立してしまいたい。しかし例のように原稿は遅々として進まない(笑)。

雑誌の場合は、書籍に比べて編集部の関与度合いが強い。これは納期の厳しさに加えて、ページ割りが決まっている誌面にピッタリ収める職人的な技術が必要だからだと思う。このため漢字や仮名遣いなどの細かい文章表現も、編集部の方できっちり対応してくれる。それに比べて書籍の場合は、漢字や仮名遣いなどを含めて、著者の意図をかなり尊重してもらえる。逆に言うと、間違いがそのまま製本されてしまうリスクもある。このため、今回は早い段階で漢字の使い方などについて編集者に確認することにした。

一番引っかかっていたのが「書く」か「描く」かである。今回のテーマはモデリングなので、クラス図やベン図がやたらとたくさん登場する。こうした図について、日経ソフトウエア誌では「描く」と表現されていた。自分のオリジナル原稿は「図を書く」だったが、編集部の方で「描く」に変更してくださっていた。自分としては、今ひとつこれがピンと来ない。確かに図ではあるが、クラス図は決して芸術的な絵ではない。むしろ論理の固まりみたいな情報である。特に今回の書籍では「モデリングは芸術じゃない。技術である。」と主張したいぐらいなので「クラス図を描く」と表現することには抵抗を感じる。

でもって編集者に確認してみたところ、“論理的な図でも「描く」ですよ。”とアッサリ言われてしまった。自分はこういうことにこだわるようでいて、実は人の意見をすぐに受け入れてしまう質(たち)なので、「描く」で統一することにした。いつまでも頑張っても仕方ないし、しばらくすれば慣れてくるはずである。

で、気になったので『オブジェクト指向でなぜつくるのか』がどうなっていたか調べてみた。すると、なんと「図を書く」でバッチリ統一してあるではないか。間違いと言われても、今さらどうしようもない。(いつになるか知らないけど)次の増刷のタイミングで直さないとまずいかな?編集者のTさん、どうしましょ(笑)?