最初で最後の締め切り
先週は編集者さんと打ち合わせをする機会があり、今後のスケジュールについて最終確認をしてきた。出版は1月下旬に決まったので、正月休みも考慮して逆算すると、年内に編集作業を完全に終わらせておく必要があるそうである。そのためにはこの週末までに残りの原稿を全部出して欲しいと言われてしまった。その時点でまだコラムが4本残っている上に、あとがき、謝辞、参考文献など細々(こまごま)した執筆作業が残っていた。この1年間ダラダラとやっていた執筆ペースから考えると、週末1回でコラム4本+αを書くなんて絶望的な状況である。いろいろ話し合った結果、最悪の場合には12月22日からの三連休で最後のコラムを仕上げて、著者チェックなしで入稿するスケジュールで合意してきた。
書籍の執筆はこれで2回目だが、前回の本の時もこんな感じだった。途中までは悠久の時が流れるような気分でノンビリ書いていたのに、いざ出版の予定が決まると急に期限を切られて大変なことになる。前回の本の時は第9章を書き終えた3月初め頃になって急に「2ヶ月後に出版したいので、残りの3つの章を急いで仕上げてくれ」と言われて大変な状況になった。その直後に父親が亡くなった時にはもう無理かとも思ったが、葬式の後は意外と時間を取れたので執筆が進んだことを思い出す。
さて、今書いている本の話に戻そう。先週の編集者さんとの打ち合わせ以降は、我ながら驚くようなペースでスイスイと執筆が進んでいる。何しろ、あとがきと謝辞は、編集者さんとの打ち合わせの後、帰りの電車の中で書き終えてしまった。参考文献とコラム1本も翌日の往復の通勤電車の中でアッサリ書けてしまった。今日は昼過ぎから再校のゲラを抱えて近所のドトールコーヒーショップに出かけたが、やはりアッサリとコラムを2本書けてしまった。なんと残りはコラム1本だけである。明日の日曜も多少時間が取れそうなので、ハッキリ言って楽勝である。いざとなるとこんなに簡単に書けるのに、いったい3年間もかけて何やってたんだろ。ま、考えてみれば日経ソフトウエアの連載期間を除いて、この3年間で初めての締め切りだ。やはり締め切りの威力は絶大である。
いよいよ、もうすぐ執筆作業から解放されるのかと思ったら実にすがすがしい気分になってきた。しかしその一方で、ちょっぴりだけ淋しい気持ちも沸いて来た。でも、もうこの誘惑には乗らないよ。だって、また本1冊のために3年も犠牲にするのはご免だからね(笑)。