連載第3回掲載号

ahirasawa2005-08-23



日経ソフトウエアの10月号*1が手元に届いた。
(→日経ソフトウエアのページ、→Amazon

表紙を見て、特集のタイトルが「究極のプログラミング体験 プログラム言語を作る!」だったのには驚いた。日経ソフトウエアの特集といえば、C言語Java、データベースなどのチュートリアルが多いのに、コンパイラの作り方のような骨太なテーマを取り上げるのはちょっと意外である。しかしとてもいい企画だと思う。Javaや.netで作るようなビジネスアプリケーションの場合、各種のフレームワークが整備されている上に、アプリケーションロジックも単純なことが多い。それに比べると、こういうプログラムを作るのは難しいが、自分で工夫する余地も多い分だけ勉強になるし、とても面白い。


さて、連載記事のタイトルは「全体と部分に分けて整理しよう」とした。第2回のタイトルが「種類とモノの違いを見極めよう」だったので、ちょっと芸がない感じである。しかし、以前のエントリ(id:ahirasawa:20050716)にも書いたように、これ以上のタイトルを思いつけなかった。

内容は、全体と部分に分割して表現するモデリングのテクニックとコツの紹介で、例のように理屈っぽい話になっている。しかしハンバーガーショップやプロジェクト編成などの身近な題材を持ち出して、取っつきやすくなるように工夫してみた。

3問目に取り上げたハンバーガーショップのセット商品は、実際のモデリングの場面でしばしば出くわすパターンである。以前、自動車ディーラー(兼、整備工場)の販売管理システムのモデリング(要件定義)をやった時にも、「車検」や「12ヶ月点検」などが複数の整備サービスを組み合わせたセット商品だったことを改めて思い出した。

記事の中で真島編集長と何度もやり取りしたことがある。それは、最後の「次回の宿題」に出てくる「アマノガワ書店」の名前だ。これはもちろんAmazon.comへの引っかけで、最初に考えた案はエドガワ・ドット・コムだった。南米大陸を流れる大河のアマゾンと、東京のはずれの江戸川のギャップで、秘かな笑いを取ろうというイタズラだったが、残念ながらedogawa.comというサイトが実在したためにNGとなった。そこで、アラカワ、ヨドガワ、カンダガワ、トネガワ、ミシシッピ、ハドソン、ナイルなどいろいろ案を出した末に、最終的にアマノガワ書店に落ち着いた。

原稿が進まない大きな理由の1つが、こんなつまらない所へのこだわりにあるのはわかっている。しかし自分にとっては非常に重要なことである。だって、原稿書きで一番楽しいのは、この手の親父ギャグをこっそり忍び込ませることだから(笑)。

*1:表紙画像の著作権日経BP社に帰属します。ここでは日経BP社からの正式な認可を得て画像データを掲載しています。