悲しいスパイラル

昨日に続いて、日経ソフトウエアの最新号(2005年6月号)について書いておく。

今回の特集のライターは、とにかく知り合いが多い。まず特集4&5を書いた中村さんと山本さんは会社の同僚である。牛尾さんは今年のデブサミ翔泳社さん主催のIT技術者向けのイベント)で一緒のセッションをやらせていただいたし、橋本さんとは以前ある仕事でご一緒したことがある。太田さんはセミナーや各種のコミュニティなどでよくお会いする方だし、鷲崎さんにもお会いしたことがある。今のところまったく面識がないのは『なぜ、あなたはJavaでオブジェクト指向開発ができないのか』の著者の小森さんだけである。オブジェクト指向のコミュニティが実に狭いことを改めて実感する。

山本さんの書いた特集5以外で個人的に面白かったのは、牛尾さんの自著紹介だ。『オブジェクト脳のつくり方』を書いた背景や理由をかなりまじめなトーンで書いている。書籍は割とふざけた感じだが、実際の牛尾さんの人柄はこの文章に近い。とはいえ「非オブジェクト・デフレスパイラル」などというノリの良い表現は、牛尾節の真骨頂といった感じで面白い。「悲しいスパイラル」という表現も使っているが、理不尽な仕事をしている現場の開発者を憂いている彼の本心だと思う。

連載記事の方もオブジェクト指向の話が多い。
「よくわかるC言語」は最終回でOOPの話だし、矢沢さんの連載はデザインパターンである。天野さん&平鍋さんのOO設計の記事は健在だし、中條さんの連載コラムまでオブジェクト指向ネタだ。自分が初めて日経ソフトウエアに記事を書かせていただいたのは2000年の夏だが、その頃を思うと、この雑誌もずいぶんオブジェクト指向づいたものだと思う。

本来なら「UMLモデリングレッスン」もこの号から始めるべきだったのかも知れない。しかし自分の力量では、特集と連載を両方書くなんてとても無理な話である。
本日(日曜日)はほぼ終日執筆に費やせる予定である。この週末で軌道に乗らないと、連休もずるずると引きずることになりかねない。頑張らねば!