“打ち合わせ”という大和言葉

昨日は一太郎のことを書いたので、日本語の話をもう一つ。

自分はソフトウェアの仕事をしているので、仕事でも原稿書きでもカタカナ語を使うことがとにかく多い。定着していないカタカナ語はなるべく使わないように心がけてはいるものの、今回の連載でも「ソフトウェア」「モデリング」「クラス」「インスタンス」「パターン」など、カタカナ語のオンパレードだ。
# 笑えることに、この「オンパレード」さえカタカナ語である。

しかし、以前から気になっている言葉が一つある。それは「打ち合わせ」だ。ビジネスで使う名詞のほとんどは欧米か中国から来た言葉だし、「ミーティング」と「会議」があるにも関わらず、大和言葉の「打ち合わせ」は現役だ。

ちなみに「打ち合わせ」の語源をインターネットで調べてみたら、以下の通りだった。

打ち合わせの語源・由来
打ち合わせは、雅楽の演奏に由来する。(〜中略〜) それらのリズムを合わせるために、笏拍子(しゃくびょうし)などの打ち物を打って拍子を取ることを「打ち合わせ」と言った。それが転じて、打ち合わせは「物事がうまく合うようにする」といった意味になり、さらに転じて、現在使われている意味になった。
〜 「語源由来辞典」より引用 〜 http://gogen-allguide.com/u/uchiawase.html

なんだか雅楽でも流れてきそうな言葉である。「次回の打ち合わせはルーム3で、部長も参加します。」なんていう会話も「打ち合わせ」に合わせるなら「次の打ち合わせは三つ目の庵(いおり)で、部(べ)の長(おさ)も加わります。」ぐらいにしないとバランスが悪い。

そういえば中国語を含む外来語を一切使えなくなった状況を描いた、清水義範さんの面白い短編小説があったことを思い出した。あの小説のタイトルはなんだっけ?