2週間遅れで第6回脱稿

難航していた第6回の記事をようやく脱稿した。
差し戻されたのは2週間前だが(id:ahirasawa:20051019)、先週末は時間が取れなかったことに加えて、もう一つ引き受けていた短い原稿を仕上げる必要もあったため、この週末まで待っていただいた。


差し戻しでは、モデリングを進める際の思考過程を書いて欲しいと依頼された。今回の連載では、簡単な穴埋め問題を出し、その解説を通じて、淡々とモデリングのパターンを紹介していくのがもともとの構想だった。しかし5回続けてみて多少マンネリ感が出てきた気がしている。また実際のモデリング経験が少ない読者の方にとっては、穴埋め問題やパターンの説明をされても実務とつながりづらいだろう。

そこで上記の依頼を受けて、最初のレッスンの解説を穴埋め問題の解説ではなく、ゼロからモデルを作る時の考え方に沿った解説に変えてみた。このおかげで、2週間前の原稿よりはだいぶ良くなった気がする。

とはいえ自分としては、実際のモデリングの思考過程を活字にするのは不可能だと思っている。なぜなら実務でのモデリングは、ユーザーからヒアリングをしながら、その場でモデルを作り上げていく試行錯誤の作業だから。他の人から“あれは技術と言うよりも、コミュニケーション芸ですね。”と言われたこともあるぐらいである。顧客から知識や意見を積極的に引き出すためにジョークを連発して場を盛り上げるために努力することからすれば、確かに芸なののかも知れない。

またモデリングには理屈で表現できない、感覚的なところもある。(これは設計も同じだが)。児玉さんの『UMLモデリングの本質』に“モデラーの心”、“良いモデルは美しい”と書いてあったのが象徴的である。

しかし、“コンピュータに関することで、理屈で説明できないことは一つもないはず”を信条とする自分としては、感覚的な説明はしたくない。だから「型にはめる」ことを目的にした、穴埋め問題とパターンにこだわりたい。コミュニケーション芸や感覚論は、基本となる「型」の上に成り立つ話だと思っているから。


と、まあいろいろ書き足りないことはあるものの、とりあえず今夜はメデタイ。なんてったって脱稿できたんだから。とはいえ、2週間遅れということは、その分だけ次の締め切りが苦しくなったはずである。しかし今夜は後先を考えずに飲んで寝ることにしよう(笑)。