連載第5回のゲラチェック

連載第5回の記事のゲラをチェックした。多めに書いたつもりだったが、今回は初校の段階でほぼ6ページピッタリに収まっていた。ほぼストライクである。しかし実際には1行のショートが3箇所あったので、細かな削除や加筆を行って、なんとか6ページちょうどに収めた。外国の雑誌だとこんなマメなことはやらないそうだから、日本人はつくづく几帳面な民族である。

さて、せっかくなので日経ソフトウエア誌における記事の編集作業の流れを書いておこうと思う。「UMLモデリングレッスン」と名乗っている手前、表現方法も当然UML(アクティビティ図)である(笑)。

まずは著者(つまり自分)による原稿の執筆である。なんといってもこの仕事は苦しい。そしてこの仕事は決して手順化できない(笑)。自分の場合、最初からアウトラインをガッチリ考えることが多い(そしてそれが遅さの原因である)が、キーワードのメモ書きを膨らませることもある。また最近では滅多にないが、神懸かり的に最初から一気に書けることもある。いずれにせよ、この仕事さえ終われば、残りは終わったも同然である。
次に編集部による修正が入る。基本的には文章のトーンや言葉遣いの調整が主だが、最初の原稿の出来によっては大きく手直しされることもある。
修正原稿の確認が終わると次がゲラ作成である。ゲラとは下版のことで、実際の誌面そのもののドラフト版である。4年前の連載の時は、出来上がったゲラはファックスで送られてきたが、今はPDFになった。しかし自分はPDFの編集ソフトを持っていないため、修正量が多いときは、テキスト原稿を送ってもらい、Wordの修正履歴とコメント機能を使ってコメントをつける。著者の仕事は、ゲラの確認で終わりである。たいていの場合、ゲラは初校だけしか確認しないが、「UMLモデリング・レッスン」の場合は、囲みだらけでレイアウト調整が厄介なため、いつも2校まで見ている。しかし今回は初校がかなりいい線だったので、一度で終わるかも知れない。

なおこの業務フローは、著者の自分から見えることだけ書いているため、正確ではないと思う。実際には、編集部の中では、担当記者とデスク(副編集長)、編集長とのやり取りがあるはずだし、編集部と制作会社でももっと複雑なやり取りがあるだろう。(しかし自分の連載は、真島編集長に直接担当していただいているので、編集部内のやりとりはそこそこシンプルだろう。)

本来ならば、今日は第6回原稿の執筆をする日だが、第5回のゲラをチェックしただけで終わってしまった。もしかすると「連載も後半に入り、ペースがつかめたので大丈夫」と高を括る気持ちが出てきたのかもしれない。しかし上記のアクティビティ図を見れば、最初の作業である「執筆する」が遅れると編集部や制作会社の方々に迷惑をかけるのは明白である。しかしそれがわかっても、やる気が出ないんだからどうしようもない(笑)。