実世界をそのまま表現するモデルとは

だいぶ間が空いてしまったが、以前のエントリ(id:ahirasawa:20050604)に続いて、オブジェクトの広場に書いた記事を振り返る手前味噌な企画の続き。今回は2番目に書いた『実世界をそのまま表現するモデルとは』というタイトルの記事から。
http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/RealWorld/

1回目の『奇妙なクラスと実世界』で、振る舞いの観点から現実世界とソフトウェアの世界の違いを考察したのに続いて、この記事では「静的な構造の観点でも現実世界をそのままソフトウェアに表現できない」ことを主張してみた。今から思えば当たり前の話だが、自分にとっては「オブジェクト指向と現実世界はシームレス」説から離れるために必要なステップだったと思う。

しかし、この文章はなんだか締まりが悪い。意地悪クイズと、顧客クラスの属性についての議論の後で、「現実世界をそのまま表現するモデルなどあり得ない」という結論を導き、最後にフワッとした話で終わりにしている。一応の話の筋道は通っているが、ヨタヨタした感じでイケてない。書いた当時もシックリ来なかったが、それ以上見直す気になれなくてそのまま公開してしまったことを久しぶりに思い出した。

また「〜のです」を乱発しているのには我ながら驚いた。『日本語練習帳 (岩波新書)』を読んでからは基本的に「〜のです」「〜のである」を使わないようになったが、あの頃は「〜のです」を乱発するのが癖だったようだ。自分はあの本の主張には必ずしも同意していないが、こういう文章が鼻につくのは確かだと思う。

加えてこの記事を読んでいて、今書いている「UMLモデリング・レッスン」のテーマに近いことにも気づいた。7年経っても大して進歩してないらしい..