タイトルが決まらない

今日は夕方から少し時間を取れたので、連載第3回の原稿書きを進めた。文章の骨組みはほぼ出来上がっており、題材も揃っているので、後は書き上げるだけである。しかし今ひとつ文章のノリが悪い。その大きな理由はピタッと来るタイトルが思いつかないからである。

タイトルは重要である。なぜならタイトルは、その文章で主張したいことをズバリとひと言で表現するものだからだ。愛用している文章マニュアルの『「超」文章法』(野口悠紀雄 著)の冒頭(p10)には次のように書いてある。

メッセージが八割の重要性をもつ
文章を書く作業の出発点は、メッセージの明確化である。これは「読者にどうしても伝えたい」内容だ。

続けて、メッセージのチェック方法として、以下のことが書いてある。

  • ひと言で言えるか?
  • 書きたくてたまらないか?
  • 盗まれたら怒り狂うか?

自分は雑誌記事や書籍を書く時には、いつもこのチェックリストを使ってきた。そして、主張したい内容が「ひと言で言える」ようにできたら、それをそのまま記事のタイトル(書籍なら章の見出し)にしてしまう。タイトルは早い段階で決まることもあるが、たいていは50-60%ぐらいの完成度の頃に思いつくことが多い。いいタイトルを思いつくと「書きたくてたまらない」状態になって、一気に文章が仕上がる。「盗まれたら怒り狂う」ぐらいの状態になれれば話は早いのだが、そこまで強いメッセージを思いつくことはそれほど多くない。

今回の記事は自分にとって目新しい内容ではないので、「盗まれたら怒り狂う」ほどモチベーションが高まるとは思えない。しかしタイトルがズバリと決まらないのは、なんともスッキリしない。しかし今書いているエントリのタイトルが「タイトルが決まらない」であることに気づいて我ながらおかしくなった。そういえば『「超」文章法』の第1章のタイトルの「メッセージこそ重要だ」というメッセージも、考えてみればすごいと思う。だって「メッセージこそ重要だ」という主張自体が重要なメッセージだから。

こんな文章を書いてる暇があったら原稿を書き進めた方が良さそうなものだが、なかなかそういう気分になれない。だってタイトルが決まってないんだから。さて、明日こそ頑張ろう(笑)。