連載第1回掲載号

ahirasawa2005-06-25


この週末は会社の合宿研修だったが、家に帰ってみたら日経ソフトウエアの8月号*1が届いていた。
(→日経ソフトウエアのページへ)

自分にとっては、連載第1回の記事が掲載されているめでたい号である。今までも何度か経験したことではあるが、やっぱり活字になってみると素直に嬉しい。ネットも悪くないが、紙媒体は手に触ってページをめくれるところがいい。

一方で、なんとなくピンと来ない感覚もある。何しろ脱稿したのはもう1ヶ月以上も前のことだし、2回目の記事も書き終えていて、今は3回目の記事のネタ出しで頭をひねっている状態である。自分にとって2つ前の記事が「最新号」に掲載されるのはちょっと不思議な感じがする。この時間差感覚を味わうのも4年ぶりだ。

記事を眺めていて、構成についていろいろと悩んだことを改めて思い出した。

まず、UMLの規則の説明の仕方について悩んだことは以前のエントリに書いた通りである。

もう1つ悩んだことは、概念モデリングの概要や効果をどう説明するかである。「主に要求定義段階で使うもので、顧客とのコミュニケーションを円滑にする技術」なんて説明しても、多くのプログラマの方にはピンと来ないだろうし、そもそも「概念モデリング」という言葉自体が取っつきづらいはずである。そこで最初はフワッとした説明だけにして、キャリアパスの話を書いてみた。つまり、ソフトウエア業界で一般的な「プログラマ→SE→PM→管理職」というキャリアパスではなく、「上流工程の技術者」というキャリア目標を提示して、そのための技術として概念モデリングが役に立つ、という話である。(ちなみに、これは『プログラマの本懐』や『事例で学ぶビジネスモデリング』と共通のメッセージでもある。)概念モデリングの効果については、記事の最後の方で短く説明した。

そんな風に自分としてはいろいろ考えたつもりなのだが、実際の読者からの反応はよくわからない。書籍の場合は、売り上げ部数やamazonの書評などいろいろ手がかりがある。しかし雑誌の場合、正確な売り上げ部数は伝わってこないし、個々の記事に対する評価もよくわからない。とはいえ、酷評されたりすると、連載を書くモチベーションが低下するのは間違いない。世の中知らない方が幸せなこともあると割り切って、余計なことは考えずに次の記事に集中することにしよう(笑)。

*1:表紙画像の著作権日経BP社に帰属します。ここでは日経BP社からの正式な認可を得て画像データを掲載しています。