連載の書き出し

今日は少し時間が取れたので、連載の原稿を考え始めた。まずは当然書き出しからである。
書籍の場合は、書店で手に取ってもらった時に興味を持ってもらう「つかみ」になるので、第1章の内容や書き出しは重要である。しかし雑誌の場合、しかも日経ソフトウエアのように実務的な内容を取り上げている媒体の場合、個々の記事がそれぞれ書き出しに凝る必要性は低い。むしろ書き出しなどは簡潔にして、早めに結論を提示し、途中で読むのをやめても大事なことだけは伝えられるようにするのが望ましい。

自分がよく使う書き出しのパターンは2つである。とりあえずここでは、1つを「アッサリ型」、もう1つを「問いかけ型」と名付けておく。
「アッサリ型」はいきなり本題を述べる。たとえばこんな感じである。

(案1)はじめまして。今月号からモデリングをテーマに連載を書かせていただくことになりました。

もう1つの「問いかけ型」はこんな感じである。

(案2)みなさんは「モデリング」と聞いてどんな仕事をイメージしますか?

「問いかけ型」では、最初に読者に対して質問を提示して、それに対する回答として自分の考えを述べていく。回答は、読者の想定をなんらかの形で裏切る内容にするのが効果的である。そうすることで、自分が語りたい話題に比較的自然な形で引き込んでいける。
この他にも、

(案3)みなさんはシステム開発の現場でモデリングをやったことがありますか?

なんていう問いかけも考えてみた。また今回はモデリングのバイエルなので

(案4)皆さんはピアノを習ったことがありますか?

なんていうのも考えてみた。

でもって上記の4つを比較検討した。

  • 案1はオーソドックスである。このあとモデリングは何をするのか、今回の連載でモデリングのどんなことをどう書いていくのかを説明していけばよい。
  • 案2も悪くない。しかし「どんな仕事」と書いてしまうと、ソフトウエア開発の仕事の全体像やそこで求められる仕事の内容などを書く必要が出てくる気がした。モデリング以外の話に大きく踏み込んでしまって、なかなか本題に入れなくなるのは困る。
  • 案3は今ひとつである。おそらく読者のほとんどは(少なくとも実際の現場では)モデリングをやっていないと思われるからである。もちろんER図やフローチャート、状態遷移図などを書いたことがある人は少なくないと思うが、そういう話に踏み込んでUML以外のモデリングの話に最初から脱線してしまうのは好ましくない。
  • 案4は即却下した。おそらく日経ソフトウエアの読者は男性が多いだろうし、自分のようにピアノを習う年頃の娘を持つ父親も少数派だろう。したがって、バイエルと言っても話が通じない可能性が大である。

ということで、めでたく書き出しは案1に決まった。これ以上考えると疲れるので執筆はここまでにして寝ることにしよう(笑)。